暑くなってきて外出歩くのも億劫になります。
体力も落ちて暑いなら暑い、寒いなら寒いで、
行動半径が年々狭まって来ているような気がします。
暑い寒いに関係なく、ただ何事に対しても意欲が薄れた、
といったほうが正確なのかも知れません。
還暦を過ぎたおっさんが感じていることです。
若い頃近所に定年を過ぎ悠々自適の隠居爺さんがいましたが、
庭に出て木や花を眺めているのをよく見かけました。
別に親しい関係でもなく、ただ見かけて通り過ぎるだけなのですが、
その覇気のないうつろな顔が気がかりで、
勝手にあれやこれやと、その家庭内の状況とか、
どんな暮らし向きなのかとかを、想像したもんです。
定年で一挙に老けるとよく聞きます。
あぁまさにそんな感じなんだろうな、
一気に環境が変わって何を目標に生きてゆくのかわからなくなって、
そんな喪失感を払拭して次の生き甲斐を見つけられないでいるのだろうな、
などと想像していたわけです。
整えたようには見えない白髪交じりの頭髪、
肌着のようなシャツ一枚、
いつも庭の中で立っている。
朝飯は食ったんだろうか。
そんなこと俺には関係ない、
と思いながらわたしは通り過ぎ、
自分の日常に没入する。
他人様の事になんかかまってられない、
自分の家族が大事だ。
そう思って。
月日が経ちわたしは気がついた。
今のわたしが、あの時の、
あの男なのだと。
生き甲斐の代替手段は持ってますか?
趣味でもスポーツでも、なんでもいい。
老いらくの恋は、やめといたほうが良さそう。(笑)
庭いじりだって立派な趣味。
ただ、あの覇気のない抜け殻のような顔は、
可愛そうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=bKxQWxOtgNI