30年ぶりに帰国した日だそうで、
小野田さんは1974年に発見、帰国され、
2014年に亡くなってますから、
ジャングルに隠れていた年数より
帰国してからの人生のほうが長かったわけですね。
晩年になって、彼は自分の人生を振り返った時、
何を想ったのだろうか。
自分の生きてきた人生を、
別に小野田さんと対比させるわけでもなく、
重ねるわけでもなく、
そんなおこがましいことが出来るはずもない、
ささやかで取るに足りない我が人生を
なんとなく振り返ってみて想ったことは、
やはり、
前から考えていたことなんですが、
「路傍のたんぽぽ」
だよなぁ。
ということです。
誰にも注目されることなく、
アスファルトの道路と
セメントの縁石の隙間に、
ひっそりと花を咲かせ、
次の代に夢を託して
風にのって飛んでゆく種子を
静かに見送る、
そんな、
たんぽぽのような人生だよなぁと、
いつも想うのです。