dandelion-hill

タンポポの綿毛に息を吹きかけて 誰かに届けと書いてます

合成の誤謬

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何年か前から、
大衆理容と言うんでしょうか、
普通より安い散髪屋さんばっかり行ってます。
仕事が速いので、性に合ってる。
ただ雑であることは否定できない。
洗髪を一回で済まされることもある。
油分を見て判断してるのかな。
髭の剃り残しがあったりする。
最後のマッサージなんて望むべくもない。
まあ、承知の上で行ってるので、
別に文句を言うつもりはない。
スピード重視で数を稼ぐ戦略だ。
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こういう店で働く理容師さんは歩合なのかなあ。
何人いくらみたいな。
そうでないとあのスピードと雑さ加減は実現できないんじゃないだろうかと思う。
いや、いいんですけどね。
承知の上で行ってますから。
ある時、耳にしたことがある。
わたしはなんでか耳に毛が生えている。
人より多いらしい。
歳をとったからなのか、よく伸びる。
その耳毛の話をしていて教えてくれた。
耳の毛を切るのも工程のうちなんだそうだ。
「切ってくれない時は言ったほうがいいですよ。」
とささやく。
考えてみると確かにその散髪屋さん、
その理容師さん以外の時に、
耳の毛を切ってもらったことが多分ない。
なるほどそうか。
効率重視で手を抜けるところは抜いて、
さっさと終わらせて次の客が欲しいんだな。
歩合だとしたら客をどれだけ捌いたかが自分の収入に直結する。
だけど、手を抜くのはいかんわな。
決められた工程はしっかりやってほしい。
たとえ雑であっても。
以来わたしは言うようにしている。
洗髪二回にしろ耳の毛にしろ、
それが決まったルールなのか、
また、その店だけの決まりごとなのか、
全国共通の決め事なのか、
その辺はわからない。
こっちとしても、そんなに上級のサービスは期待してない。
その分料金が安いのだから。
理容師さんたちも、少しでも多く稼ぎたいだろうし、
競争もあるだろう。
雑になるのもわからんでもないので、
いつも恐縮しながら言っている。
「耳の毛、切っといてね。」
と。
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安くて早い店という営業方針にしたがって、
良かれと思って個々の理容師さんが頑張る。
より早くより多くをこなせば店のためにもなる。
自分の収入も増える。
それで少々雑でも手を抜いてもまあ構わないだろう、
という雰囲気が醸成されてしまっているんだろう。
でもそれが結果として店の評判を落とすことになる可能性がある。
評判が落ちると客が減る。
客が減ったら店は儲からない。
理容師さんたちの収入も減る。
個々が良かれと思ってやったことが、
全体として見てみれば、
よろしくないことをやってしまっている。
世の中、そんなこともあるんですね。
タイトルを、
合成の誤謬としたけれど、
ちょっと違うかなぁ。
ま、いっか。
細かいことは。(笑)
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